Choose Well

9月は「World Wellness Weekend」、そして「World Cleanup Day」と、国際的にウェルネスや環境について考えるイベントが続いた月。
皆さんは「ウェルネス」と聞いて、何を思い浮かべますか?
運動や食事など、カラダの健康を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれどウェルネスとは、カラダだけでなく、心、そして環境など、生活の様々な側面のバランスを整えていくこと。人それぞれだから、そこに1つの正解もゴールもありません。
私たち1人ひとりが「毎日をより豊かに生きよう」とするための“選択”や“行動”そのものが、ウェルネス。
……と言われても、少し漠然としていますよね。
そこで今回は、暮らしの基本である「衣・食・住」の3つに分けて、ウェルネスについて考えてみたいと思います。

Chapter

01
衣

毎日欠かせない「衣」。身近なものだからこそ、ここにもウェルネスの考え方を取り入れたいものです。
いま、世界で毎年約9,200万トン、毎秒トラック1台分相当の衣類が廃棄されています。大量に作り、買い、捨てる。そのために多くの資源や水が消費され、環境負担も深刻化しています。
私が暮らすLAではドネーション量が多過ぎて、持ち込んでも受け付けてもらえないことも。服が溢れ、手放すことさえ難しくなっている一方で、必要な衣類を手にできない人達もいる。どこかアンバランスな状態ですよね。

 

けれど、良い変化も起きています。
環境や健康への意識が高いLAでは、お洒落なスリフトショップから、ハイブランド専門のリセール店、デッドストックや残反生地を活用したブランドまで、サステナブルな選択肢がずいぶん身近になり、一般化してきています。
毎月開催される南カリフォルニア最大級のフリーマーケット「Rose Bowl Flea Market」は、その象徴的な存在のひとつ。

南カリフォルニア最大級のフリーマーケット「Rose Bowl Flea Market」の様子
2,500以上のベンダーが集まり、ヴィンテージ服や家具、アートなど、その時にしか出会えないものが並びます。
様々な服がハンガーラックにかけられている
様々なストーリーを持つ古いもの。長い間、大切に使われてきたもの。手を加え、再び息を吹き返したもの。そこには新品とはまた違った、人の温かさを感じます。

私自身は昨年の断捨離をキッカケに、「買い方」だけでなく、“今あるもの”との付き合い方も変わりました。手元に残した洋服をより大切にするようになり、何年も使っていなかった裁縫道具を引っ張り出して、簡単なお直しやリメイクもするように。考えてみれば、母は手際よく何でも縫ってくれていました。でも私は、その習慣を受け継がず、ここまで来たように思うのです。

針山とジーパン
縫い物をする時間は静かで、ゆっくりで、少し瞑想のようで心地が良い。何でも「手間をかけ、大切にする」って良いなと、今更ながら感じています。

古いものを楽しむ。今あるものを大切にする。新しく買うなら、長く使えるもの、生産背景まで含めて共感できるものを選ぶ。そんな当たり前のような選択に、何だか心が温かくなる。それが、「衣」におけるウェルネスなのかも知れませんね。

02
食

「バランスを整えていく」ことがウェルネスなら、現代の「食」はどうでしょうか。
「フードロス」という言葉を、皆さんも耳にしたことがあるはず。いま、生産される食料の約40%、年間約25億トンが、食べられることなく失われていると言われています。その一方で、飢餓や栄養失調は世界的問題。ここでも「作る・消費する・捨てる」という仕組みに、大きなアンバランスを感じます。

 

私はよく、「なぜお肉を控えるの?」と聞かれるのですが、理由のひとつは“背景”。現在の大量生産を支えるためには、水や土地、家畜の飼料など多くの資源が必要となり、加えて加工、物流、その先の廃棄まで、多大な環境負荷を伴います。
そうした“現代のお肉のリアル”を知ってからは特に、できるだけ野菜や穀物を中心に、素材そのものを味わえる食事を選ぶようになりました。それが私の心にもカラダにも、ハッピーな選択。私なりのバランスの取り方です。

皿の上におにぎりが3つ並んでいる
どういったものを食べると満たされるのか。それは、人それぞれ違うもの。私は、手作りのおにぎりやお味噌汁が、やっぱり「ホッ」として心も満たされる。

自分らしいウェルネスな「食」の選択とは、世間的に「カラダに良い」と言われるものを、ただ選ぶことではない、と私は思います。
その食の背景も含めて、自分の心とカラダに心地良いものだろうか?
まずは、そう問いかけてみる。その先に、自分らしい「食」の選択、ウェルネスが見つかるのかもしれません。

03
住

最後の「住」は、視野を広げて「ライフスタイル」として考えてみましょう。
私たちは日々、数え切れないほどの選択をしています。
何を着るか。食べるか。運動するか。誰とどう接するか。何を見て、聞いて、考え、話すか。何時間眠り、どんな気持ちで一日を終えるか。
ひとりでは世界をコントロールすることも、仕組みをすぐに変えることもできないけれど、日々の選択なら、100%自分自身で決めることができます。
自分にとって大事なこと。自分なりのバランスの取り方。自分が描く理想的な未来。それに向かって、“自分らしい選択”を重ねていく。このプロセスそのものが「ウェルネス」です。
その第一歩は、「自分は何を大切にしたいのか」を知ること。難しく考えず、日々“感謝できること”に、意識を向けてみるのがオススメです。
「空が青い」
「おはよう、おやすみ、と言える」
「お米が美味しい」
そんな小さなことでも、少しずつ気づいていくと、「あ、私はこういうことが大切なんだ」と、だんだんと自分の軸が見えてきます。
世の中には「カラダに良い」「環境に良い」と言われる選択肢がたくさんあるけれど、それを全部取り入れる必要はないし、誰かにとっての正解が、自分にとっての正解とも限りません。だからこそ、“自分軸”で選択していく。

青い海
私にとって、海はかけがえのない場所。幾つになっても綺麗な海をエンジョイしたい。だから、海や環境に優しいものを選びたくなる。それは、大切なものへの「感謝」から生まれる自然な選択。

もしも、感謝することが浮かばなかったら、
「呼吸ができている」
から始めてみて。
そう意識した途端、少し深く息を吸って、ゆっくり吐いている自分に出会うかもしれません。今のがすでに、立派なウェルネス。
グリーンジュースを飲まなくても、ヨガをしなくても、ウェルネスは誰の傍にもあるものなのです。

夕焼けと海
大切だから、守りたい。心地良いから、続けたい。
それを軸にした選択なら、きっと無理なく継続できる。

私たちの衣・食・住、すべての選択に、自分らしく続けていける、サステナブルな「Wellness」。
Let’s choose “well,” everyone!

 

Photos by: SSNRS

Reporter : ROSE

LA在住のNeutralist(ニュートラリスト)。運動、食、遊び、ファッション、日々の生活を通して自身が「心地よい状態」でいられる事を目指しています。

ヨガインストラクター World Yoga Alliance YTT200認定。Yinヨガ認定インストラクター。

Reporter : ROSE