地球の神秘を伝え続ける写真家、高砂淳二さんが贈る “No Rain, No Rainbow”。海や森の生き物、色とりどりの花々や虹など、自然の魅力を余すところなく捉えた作品と共に、皆さんを新たな冒 険へ誘います。地球の息吹を感じ、美しさを知り、共に学んでいきましょう。

No Rain, No Rainbow
僕ら=自然

僕らは毎日、魚や野菜やお米を食べてウンチをする。そのウンチは、野生動物のならそのまま土に還るところだけれども、それでも、下水処理場で微生物に分解され、海の栄養になり海藻に変身し、食べられて魚になり、次にはイルカになるかもしれない。

僕らは、周りの森や海を見て“自然”というけれど、僕らが自分だと思っているこの体も、いつも形を変えながら循環する水や炭素でできた、“自然そのもの”なのだ。

しかも、植物が自分の意思で大地から萌え出てこないように、また鳥たちが自分の意思で翼をもって生まれないように、僕ら人間の体もまた、僕らは何もしなくても、心臓が動き続け、子供ができ、擦り傷が治っていく。この地球の運行を進める大きな力が、周りの生き物たちと同じように僕らの体にもしっかり働いているのだ。

そんな想いで周りの草花や鳥や大地を見てみる。自然を守る、というけれど、それよりは、親戚や家をケアする、という感覚の方が近いような気もしてくる。

高砂淳二 Junji Takasago

写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。熱帯から極地まで、地球そのものをフィールドに撮影活動を続けている。国内外で写真展多数開催。TBS「情熱大陸」、NHK「スイッチ・インタビュー」をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌等のメディアや講演会などで、自然の大切さ、自然と人間の関係性、人間の地球上での役割などを幅広く伝え続けている。「この惑星(ほし)の声を聴く」「night rainbow」「PLANET OF WATER」など、30冊あまりの著書を発表。ロンドン自然史博物館「Wildlife Photographer of the Year 2022」自然芸術部門で最優秀賞を受賞。海の環境NPO法人OWS(The Oceanic Wildlife Society)理事。

HP
INSTAGRAM

高砂淳二 Junji Takasago