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本を読もう!

皆さんは最近、“本”って読んでいますか?

進化し続けるデジタル時代、アメリカではこの10年で “本屋さん” が激減。LAでも大型書店をはじめ、町の小さなニューススタンドまでが次々と閉店していたのですが、どうも去年あたりから、また “本屋さん” を見かけるように。新しく開発しているエリアに素敵な本屋さんができて大賑わいしていたりと、今 “本のリバイバル” が始まっているらしいのです。

本が大好きな私としては、触れずにはいられないトピック! なので今回は、“本” についてのお話。

Chapter

開発エリアにオープンした本屋さん。
開発エリアにオープンした本屋さん。コーヒーやワインも提供していて、本を片手にゆっくり時間を過ごせる、ローカルに人気の新しいスポットになっています。

01
デジタルデトックス

ネットがあれば、いつでも手軽に無数のコンテンツを楽しめる現代。見渡せば、電車やカフェ、学校やオフィス、どこを見ても圧倒的に本よりもスマホを手にしている人が多いですよね。そんなデジタルな時代に、なぜ “本” がリバイバルをみせているのか? 不思議に思った方も多いはず。

私を含めオトナ世代は紙に慣れているし、「やっぱり本は紙が良い!」と後押しているのかと思いきや、実はこの流れの火付け役はZ世代。デジタル社会で育った彼等にとって、ネットやSNSは、もはや人間交流や情報収集の軸。けれど、常にオンラインでいる環境とエンドレスなフィードに疲れている若者も多いのだとか。そんな中で、スマホではなく本を手に持っている人が居たら、何か違う感じがして魅力的。スクロールするのではなく、インクで印刷された紙のページをめくる、静かな読書タイム。そんな、スローな時間に魅了された若者達が、デジタルデトックスの意味も込めて “本” に目を向けたことが、このリバイバルのキッカケとなったそう。

少しの間、デバイスを置いてデジタルデトックス。「オフラインでいる」という、シンプルだけど人間にとって必要な時間。

02
「人間」らしさ

私たち現代人は、短時間で多くの情報を処理する習慣がついてしまい、自分の頭で深く考える能力・注意力が弱まっているそう。そしてアルゴリズムは関連した情報を次々と提示するから、目にする内容は必ずしも求めているものでは無く、浅く偏った知識を蓄積してしまうリスクも。

その点、本から得られる情報は、結論に至る過程や根拠が示された“コンプリート”なもの。読んだ本の数だけ、“活かせる知識” が増えていきます。そして本を読むと、想像力も刺激され、読んだ文章から様々な場面を想像できるようになり、日々の生活の中でも、トラブルシューティングや成功を頭でシュミレーション出来るスキル、人生や環境を変えられる力が身につきます。更には、色々な本を読むことで、作者の気持ちや登場人物の感情、自分の人生では分かり得ないような人の思考や、喜び・悲しみなどを理解し、人とコミュニケーションする際の表現力・共感力なども高めていけます。

オバマ元大統領夫人の自伝
今読んでいるオバマ元大統領夫人の自伝。彼女の人生が赤裸々に書かれていて、読みながら彼女の人生を一緒に経験している感覚です。

ゆっくり本と向き合う時間は、心を落ち着かせ、自分とも向き合える時間。何千年も前から、私達の祖先が続けてきた“読む”という習慣は、ネットやAIでは得る事の出来ない、深い見識や、人生を豊かにする “人間らしさ” を育める貴重なもの。極めてデジタルな時代だからこそ、特に必要とされる習慣なように思います。

アメリカの住宅街には、手作りの本棚があることも多く、誰でも利用可能。
本棚のスタイルも内容も様々。誰でも気になったものがあれば取って、読み終わった本があれば提供したり出来ます。
本こそ多様性。感想に正解も不正解も無く、本屋さんでは同じ本を読んだお客様の「良かった!」と「最悪」のリアルな意見を両方ディスプレイしたり。
新しく出来た本屋さんVillage Wellは、LGBTQ+の本も多く、様々なイベントも開催。知性ある“多様性コミュニティー”を大事にしている。

03
オススメBooks

ここで、「さっそく本を読んでみたいけど、何を読めばいいか見当もつかない。」なんて人の為に、私のおススメBookを3冊ご紹介します!

①Michael Greger, M.D., FACLMの「HOW NOT TO DIE」(日本語タイトル:食事のせいで、死なない為に[病気別編])

身近な食材を毎日採り入れることで、病気を予防し、進行を食い止め、逆行させる食事法を教えてくれる本。

英語タイトルとデザインが興味を引いたので読んでみた1冊ですが、今では私の “教科書” みたいな存在。一見難しそうだけど、今日からでも始められるような内容なので、ヘルシーになりたい方にオススメ!

②John Gray, Ph.D.の「MEN ARE FROM MARS, WOMEN ARE FROM VENUS」(日本語タイトル:ベストパートナーになるために 男は火星から、女は金星からやってきた

男と女の心理法則を書いた本。人種の壁を超えた、“男女間のあるある”を実例と共に解説していて、夫婦やカップルで、内容をシェアしながら読むと物凄く面白いのでオススメです。

③Matt Haigの「The MIDNIGHT LIBRARY」(日本語タイトル:ミッドナイトライブラリー)

「もしもあの時、、、」と後悔している人や、なかなか自分の未来に希望を持てない人に是非読んでもらいたい小説。ショッキングな始まりだけど、最後まで読むとココロが晴れて景色が明るくなるストーリーです。

どうでしたか? 便利なデジタル時代だけど、あえて時間をかけて、1冊の本を読み終えた時の達成感と満足感は格別なもの。デジタルデトックスをしながら自分の感性も磨かせてくれる“本”。この機会に皆さんも、“お気に入りの1冊”を探しみてはいかがですか?

Photos by: SSNRS

Reporter : ROSE

LA在住のNeutralist(ニュートラリスト)。運動、食、遊び、ファッション、日々の生活を通して自身が「心地よい状態」でいられる事を目指しています。
ヨガインストラクター World Yoga Alliance YTT200認定。Yinヨガ認定インストラクター。

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