No time to WASTE
「使い捨て」の先へ

LAで起きた大火事から約4ヶ月が経ち、汚染のため控えていたサーフィンを再開!「やっぱり海は良いな~」と嬉しい反面、水質の変化は否定できないものでした。一見キレイな海だけど、波打ち際のゴミや海水の匂いが少し違う。何か出来る事はないかと思い、近くのビーチクリーンイベントに初めて参加してきました。

今回は、ビーチクリーンに参加して感じたこと、分かったことを皆さんとシェアしたいと思います。

Chapter

大火事の被害にあったマリブの海岸
大火事の被害にあったマリブ。少しずつ人は戻り始めているけど、水質が元通りになるにはまだ時間がかかりそう。

01
ビーチクリーン

カリフォルニアの海には沢山の海洋生物と海鳥が暮らしています。火事の後、病気で保護されるアザラシが激増したり、クジラの赤ちゃんが浜に打ち上げられたりと心が痛むニュースが増え、私達の社会で起こることが、どれほど周りの自然生物をも巻き込んでしまうのかを思い知らされています。私達は今一度、人と自然との距離を縮めてみる必要があるのかも知れません。今回ビーチクリーンに参加したことで、海への理解も深まり、また少し自然が近くなった気がします。

そもそもビーチクリーンとは、名前の通り“砂浜でゴミを拾う”こと。1985年にサンフランシスコの海洋自然保護センターが始めたのがキッカケで世界に広まり、現在は9月22日が「国際ビーチクリーンアップデー」に指定され、各国のビーチでクリーンイベントが行われるそう。ビーチが大好きなLAでは、ほぼ毎週末に各ビーチでクリーンイベントが開催されています。

ビーチクリーンに集まる人々
主催は個人から非営利団体まで様々。参加費は無料、ゴミ拾い用のグッズも提供してくれるので気軽に参加できます。
砂浜を歩きながらゴミ拾いをする人
砂浜を歩きながらのゴミ拾いだから、自然を満喫しながら下半身の良い運動に!

ゴミ拾いは約1時間と短い時間ですが、得るものは沢山。何よりも良かったのは、“海洋ゴミの現状”を知ることができたこと。以前から耳にしていた「プラスチックごみ問題」を現実として、初めて捉えることができました。

小さくなったプラスチックの破片を手の上に載せる
小さくなったプラスチックの破片が沢山砂に混ざっていて、拾いきれないほど。
ゴミ袋の中には拾ったプラスチックごみが入っている
拾ったゴミは、殆どがプラスチック。

02
プラスチックごみ問題

火事後の水質が気になって参加したビーチクリーンだけど、それよりもプラスチックごみの量に驚いた私は、後で詳しく調べてみることに。結果は衝撃的でした。

プラスチックの歴史は、ほんの100年程度。その長期的な影響については、分かっていないことが沢山あります。主に石油を原料とするプラスチックは、それを分解できるバクテリアが地球上に存在しない為、生分解して自然に還ることはありません。現在までに製造され、破棄されたプラスチックは、ほぼ100%地球上に残っているそう。プラスチックの年間生産量は、地球の人間全員の重量と同じくらい。物凄い量です。

さらに、年間800万トンのプラスチックごみが海に流出していて、このままだと“2050年には、海のプラスチックごみの量が魚の量を上回る”らしいのです。ショックですよね。

手のひらに貝がらとペットボトルが載っている
自然で“プラスチックごみ”という人工物を見ると、その非対称性を強く感じます。

加えて、地球の海には大きく輪を描く海流が5つあり、その全5か所で、陸のようになったプラスチックごみの集合体が確認されています。太平洋にあるものが最大で、面積は何と160万キロ㎡、日本の面積の約4倍! 研究者たちは「さらに多くが海中に存在する」と言っていて、実際どれだけのプラスチックが海に存在するのかは分かっていません。

というのも、今「マイクロプラスチック」という5㎜以下まで小さくなったプラスチックが問題視されていて、砂浜で見たような小さなプラスチックが海に入ってしまうと、もはや確認も回収も不可能で、海洋生物にとっては致命的。近年このマイクロプラスチックが魚や鳥、人間にも見つかっていて、健康への悪影響が心配されているのです。

砂浜に散乱する小さなプラスチックごみ
砂浜のどこを撮っても同じ状態。皆さんにも、小さなプラスチックが見えますか?

03
「使い捨て」の先へ

リサイクル率は10%以下で、殆どが埋め立てや海に流出され、汚染を加速させるプラスチック。とはいえ、住宅・医療・電気機器・交通・日用品・衣類に至るまで、現代の暮らしにプラスチックは欠かせないもの。完全にプラスチックフリーな社会は、現段階では非現実的かもしれません。ならば、どうすればプラスチックと共に暮らしていけるか?を考えたい。

“ごみ”となるものの多くが「使い捨てプラスチック」。過剰包装や利便性ばかりを重視した私達のライフスタイルが、余分なプラスチック製造・廃棄を招いています。各国が“使い捨てプラスチック廃止”に向けた政策を次々と打ち出している今、私達自身も“使い捨て依存”からマインドをシフトするべき時が来ています。

先ずはプラスチック消費を減らしてゴミを出さない努力から。エコバッグやタンブラーは勿論、日用品を自然素材のものにしたり、包装量の多いコンビニ食や飲料を避けたり、リサイクルに積極的なお店で買い物したり、出来ることは沢山あります。

エコバックで買い物
スーパー・薬局・洋服店など、どこでも常にエコバッグ。
生分解ビニールでできた袋にアボカドを入れる
ビニールを使うなら生分解ビニールを。
ウェットスーツ
愛用のJULYウェットスーツは漁網をリサイクルした糸を使用。着るもの・使うもの、N/も同様で、ゴミ問題にも配慮あるブランドをサポートしたい。
街を流れる川
海ゴミの約80%は街から流れてきます。街に出るごみ自体を減らすことが、海を救うための第一歩。

こういった意識の変化も、今回ビーチクリーンに参加してみたからこそ。ココロとカラダまでスッキリするビーチクリーンは、家族やお友達と取り組めるアクティビティーとしてオススメ! 海だけじゃなく、地域のクリーンイベントでもきっと同じ効果があるので、是非お試しを。

容器の中に大量にコーヒー豆が入っている
バルク買いも包装ごみが減って◎。
瓶の中にアーモンドなどが入っている
保存容器もガラス中心に。この瓶は近所のアイス屋さん容器をリサイクル。

いかがでしたか?衝撃的なプラスチックごみ問題だけど、「知る」ことは明るい未来への第一歩!皆さんも、これを期に「使い捨て依存」からのシフト、してみて下さいね!

 

Photos by: SSNRS

Reporter : ROSE

LA在住のNeutralist(ニュートラリスト)。運動、食、遊び、ファッション、日々の生活を通して自身が「心地よい状態」でいられる事を目指しています。
ヨガインストラクター World Yoga Alliance YTT200認定。Yinヨガ認定インストラクター。

Reporter : ROSE